えびのらくがき

とある理系技術者の気晴らし雑記帳 読んだ本の紹介や科学コラムなど!

理科系の作文技術(木下是雄)〜簡潔で伝わりやすい文章を書くには?〜

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今回紹介する書籍は『理科系の作文技術(木下是雄)』。
 
学習院大学の学長も務めた物理学者、木下是雄(1917-2014)が遺した名著。

1981年に初版が刊行されて以来、100万部以上を売り上げているまさしく理系文章の教科書的な実用書です。

今回は会社の方に勧められたことをきっかけに読んでみました。

内容

理科系の作文技術について具体例を混じえながら、『簡潔な表現』という点に主軸をおいてわかりやすくまとめています。伝えるべき内容を効率的に、誤解無く伝えるための心得から実用的な手段に到るまで丁寧に述べられています。
理系の学生はもとより若手の技術者を対象として書かれた書籍です。

感想

読み始めてまず感じたのは、かなり上から目線だなという印象で、木下氏に一方的に叱られているような感覚でした。笑
しかし読み進めていくうちに確かにそうだと納得する部分が多くあり、一気に読了してしまいました。
 
特に印象に残っているのは、5章の文章の構造について述べているところで、悪い例として登場する『逆茂木型の文章』というものです。これは、”枝”となるいくつかの独立した文や文節が合わさって説明したい事の本流である”幹”へと合流し最終的に結論が導かれるような文章のことです。このような構造では、読者はいくつかの”枝”をインプットした状態で”幹”となる本流への合流を待たなけれはならないため文章は読みにくくなってしまいます。日本語ではこのような構造になっている事が多く、読みやすい『簡潔な表現』を目指すならば、”幹”を外れず常に本流で説明を展開して結論へ至る方が良いのです。
 
そのほか、『:』と『;』の違いなど実用面でも大変参考になりました。

 評価

おすすめ度:★★★★★

なお、漫画版の書籍も出版されているようですので参考までに。
理科系の作文技術 (中公新書 (624))

理科系の作文技術 (中公新書 (624))