タバスコの辛さは何スコヴィル?定義に従って測定してみた!

タバスコの辛さは何スコヴィル?定義に従って測定してみた!

最近家でよくピザやパスタを食べるのですが、何か物足りなさを感じています。

何が足りないのか?そうそれはタバスコだ!!


ということで近所のスーパーでタバスコを購入して家に常備することにしたのですが、そんな時ふとこんなことを思いました、
『辛さの単位って何なんだろう?』と。

調べてみると一般的にスコヴィル値というものが使われているということがわかりました。それは人間の味覚を用いて測る官能試験での辛さの数値のことを言うのですが、、、調べてしまったからには実際に自分の手(と舌)で測定しないと気が済まない!

ということで、
タバスコのスコヴィル値を実際に筆者えびかずきが定義に従って測定してみました。

スコヴィル値とは

 スコヴィル値とは、トウガラシ系食物に含まれるカプサイシンによる辛さの程度を表した値のことを言い、スコヴィルという単位を使用します。

定義:辛みを感じなくなるまで砂糖水で薄めた時の希釈倍率

となっており、スコヴィル値が大きいほど辛いということになります。

スコヴィル値のおおよその目安としては、下図の通りで、
一切辛みの無いピーマンで0、胡椒で100〜500、タバスコで2500〜5000、そして辛いことで有名なハバネロで10万〜35万程度と言われています。

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は スコヴィル値.png です
スコヴィル値の目安

予想

上記の通り、既に事前調査でタバスコのスコヴィル値が2500〜5000と書いてしまいましたので言うまでも無いですが、この辺りの数値が目安となりそうです。
ただ、定義から察するにこの官能試験の方法は、いかにも個人差が出そうなにおいがします。果たして私の舌で測定したタバスコのスコヴィル値は上記グラフと一致するのでしょうか!?

測定方法

希釈用器具

今回は、300mL計量カップと、2.5mLの1/2小さじを使用して希釈液を調製しました。希釈濃度としては100倍、1000倍、2500倍、5000倍の4つの希釈液を準備して検証を実施しました。
なお、今回希釈に使う砂糖水の濃度は5wt%として検証しました(気の抜けたサイダーくらいの甘さ)。

左から100倍、1000倍、2500倍、5000倍

写真の通り、希釈倍率を高くするにつれて希釈液は透明になっていきます。左端は100倍に希釈したとは言え、まだ濁りが残っていて見るからに辛みがありそうですね。

また、今回の測定では、一般的な米国製タバスコペッパーソースを使用しました。


さらに今回の実験で配慮したこととしては、先に辛みを感じてしまうと感覚が麻痺してしまう恐れがありますので、薄い方(5000倍希釈液)から試してみました。

結果

筆者がそれぞれの希釈液をスプーンですくって味わってみた結果を順番に発表します!

5000倍希釈液:

うーん、全く辛く無い。微塵も辛みを感じない。

2500倍希釈液:

おや、ちらっと辛みを感じるぞ。

1000倍希釈液:

うん、うすーく辛みを感じる。

100倍希釈液:

普通に辛い。

ということで、えびかずきが辛みを感じたのは2500倍希釈液でした。ということは今回の測定ではタバスコのスコヴィル値は2500〜5000の間ということになります。

なんと素晴らしいことに、事前調査の予想と全く同じ結果となりました!おそらく私は極めて平均的な味覚の持ち主なのでしょう(少なくとも辛さに関しては)!

ちなみに追加実験として、妻にも同じ実験を試してもらいました。
結果、辛みを感じたのは100倍希釈液で私とは大きくことなる結果でした。やはりこの測定、かなり個人差が出そうです。

まとめ

えびかずきの味覚による測定では、タバスコのスコヴィル値は2500〜5000となりました。一般的な情報とも合致しており、私の辛みに対する味覚は標準的であると言えそうです。

ただこの定義に従って測定を実施すると結果にも書いた様に、色濃く個人差が出てしまいます。これでは当然正確な数値を出すことができませんので、現在は辛み成分であるカプサイシンの量を直接分析により定量してスコヴィル値に焼き直している様です。この分析は高速液体クロマトグラフィーを使用する方法で、ジレット法と呼ばれているそうです。

まあそうしないと人がやってたら測定自体も労力がかかって大変ですよね。

【補足】その他の辛味成分について

今回紹介したスコヴィル値はカプサイシン由来の辛さを表すものでしたが、我々が感じる辛味と言うとカプサイシンが含まれるトウガラシなどの食物以外にもわさびやカラシ、山椒など他にも沢山あります。実はそれぞれ辛味成分が違っていて、同じような官能試験は定義できるとは思いますが、カプサイシン以外のものはスコヴィル値で表現することはありません。
例えばわさびに含まれる辛味成分はシニグリン[1]https://www.banjo.co.jp/experience/scienceといって、カプサイシンとはまた違った鼻にツーンとくるあの独特な辛さが特徴です。

辛味って奥が深いですね。

References

References
1 https://www.banjo.co.jp/experience/science